関節軟骨がすり減り、関節の隙間は狭くなり、膝関節の骨の変形が始まります。加齢によるものだけではなく、肥満、外傷、素因(遺伝性)も原因と考えられています。
症状は、初期では歩き出し、立ち上がりの痛み、中期では歩行時、正座、階段昇降時の痛みが生じ、末期ではさらに変形が進み、膝が伸びない、曲がらない、歩行が困難となります。
スポーツ競技中などの様々な動作で症状が出ます。
『前十字靱帯』とは膝関節を安定化させるために最も重要な靭帯です。
この靭帯はおもに膝の捻りと前後方向のぐらつきを抑えています。
ジャンプの着地などで急に膝を激しく捻ってしまったり、過度に膝が伸ばされてしまったときに切れてしまいます。
一度切れてしまった靭帯は再びつながることは難しく、治癒しないままスポーツを続けると、変形性関節症へと進行していきます。
『半月板』の働きは、①体重の荷重を分散、②関節の適合性を良くする、③曲げ伸ばしの可動性を保つことです。
その原因には内側半月板は外側半月板より可動性が小さく、より傷付き易いと言われています。またO脚変形を伴うと、常に内側半月板にストレスが掛かった状態で生活している事となるため損傷のリスクが上がります。
半月板が損傷されているかどうかはMRI検査等で正確に診断することが可能です。
内側側副靭帯とは膝関節の安定性を担う靱帯の一つです。
膝関節の内側の安定性を保つ働きをしており、膝関節に内側から外方向への衝撃や膝より下の下腿に捻りが加わることで損傷します。
内側側副靭帯が損傷されているかどうかはMRI検査等で正確に診断します。
『脛骨粗面』には膝を伸ばす筋肉、大腿四頭筋が付いています。
発育期は骨が軟骨から変化していく時期で骨の端っこは柔らかく弱い状態です。
そんな時期にジャンプやキックで膝を伸ばす力を繰り返し使うと、大腿四頭筋が付いている骨の部分が引っ張られ、剥れて痛むようになります。
「滑膜ひだ」とは日本人の約6割に存在すると言われ、胎生期に一時的にでき、それが遺残したものです。
この「滑膜ひだ」が屈伸時に膝のお皿と大腿骨の間に挟まれ、刺激されると「滑膜ひだ」が肥厚したり傷ついたりして症状が出ます。
スポーツ競技などの様々な動作で症状が出ます。半月板損傷などを合併することがあります。
後十字靭帯は膝が後ろにずれることを防いでいる靱帯です。このため、スポーツ中の接触や交通事故、転倒で膝の前方から後ろに向けて強い力が前方からかかった時(膝の下を打った時)に損傷します。
10歳代の女性に多い。
脱臼を繰り返す(反復性脱臼)場合は膝蓋骨の不安定感を感じます。ほとんどは膝蓋骨が外側に脱臼(外側脱臼)します。
ジャンプの着地などで膝が内に入り、膝を伸ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮したときに起こります。自然に整復されることもあります。
生まれつきの素因が多い(膝蓋骨や大腿骨の形体異常)。
成長期のスポーツ選手に多く、繰り返されるストレスや外傷により軟骨下骨に負担がかかり軽微な損傷を起こすことから起こると考えられています。
その後、血流障害を起こし軟骨下骨が壊死し、骨軟骨片が分離、遊離します。
男性に多く10歳代が好発年齢です。
初期はレントゲンで写らないことが多いため、MRI検査で確定診断します。